たまにはこんなこと。





日本の中学の授業ってもんは簡単すぎるから聞いていてもつまらない。
でも俺はいつも10代目のお側にいなければいけないから授業にもなるべく出てるし、
授業に出ないでサボったとしても、いつでも駆け付けられるような場所にはいているつもりだ。
で、今日はまぁちゃんと授業に出ていてて。
俺を怖がってるヤツがいるおかげか(何もしねーってのに。迷惑な話だ。)
いつも席は窓際の一番後ろ、前には10代目。まぁ何だかんだ言ってもなかなか良い席だ。


でもやっぱりっつーか……あー…つまんねぇ。
ま、10代目に何かあった時にいつでも助けられるように、重要なコトはノートにまとめたりはしてみてるけどさ。
睡魔の手先のような英語教師の棒読みの英語が耳障りで、気を紛らすのに教室内を観察してみると、
ふと右の方、一つ前の列の横に二つ席を挟んだ向こう側から否がおうにも慣れてしまった視線。
…山本だ。頬杖をついて横目でこっちを眺めてる…っつーか凝視ってのか。
なんつーか…アイツの探るような視線はいつまでたっても慣れそうにはない。
いつもあいつの視線に煽られて挑発されて…ちくしょう思い出したら腹立ってきた。


どーせ暇な授業だ。今日はこっちから挑発してやろうかなんて思ってちょっと太めの軸のペンを黒い本皮のペンケースから取り出して。
思わせ振りにペンをつまみながら口元まで持ち上げ、ちらりと目線をやれば興味を惹かれたみたいなヤツの顔。
掴みはオッケー…ってか。
俺はそのまま目をヤツに向けながらマジックの丸みがかったキャップの先端を、舌をちょっとだけ出してペロリと舐めた。


「……っ!」


離れている席でも目を見開いた山本の表情ひとつで息を詰めたのがわかる。
いわゆるフェラのバーチャルプレイっつーの?それでもうヤツの興味は奪ったも同然。
俺は目でも挑発するように見つめてやりながら今度はペン軸をゆっくりと舐め上げて…


「せんせー!」


今まで視線を合わせてた山本が突然手を上げた。もちろんその声に教室内の視線を全て集めることになって。
「トイレ行ってきます。」
山本はセンセーの許可得る前に、視線を気にすることもなくちょっと前屈みになりながら教室から出てった。
「山本、お腹でも痛くなったのかなぁ…?」
アイツが前屈みになってたのが腹痛だと思ってか10代目の優しい言葉。羨ましいヤツ。だから
「アイツのことだから変なモンでも食ったんじゃないスか?」
とか返しておいた。


それにしてもあれだけの挑発で前屈みになってくれるなよっての恥ずかしい。
でもそんなに素直に反応してくれるってのも悪くないな、とか思いながら教室内に興味がなくなった俺は外に視線を向けた。
外は澄みわたる青空。
そーだなぁ。こんな良い天気な日だから、次の授業山本もサボる気あったりするんだったら
ペンにやってたコトをアイツにやってやっても良いかな。とか普段思いもしないようなことをぼんやりと思ってみたのだった。
















たまにはヤッてあげようかな、とか思ってあげるごっきゅん。とてもレアです。(笑)
2004.12.14